2010年02月28日

第一回 セリフの研究2、 TryとReactionワーク(会話編)1




では、今回からは「会話」についての演習です。

前回までは「一言のTry」、「一言のReaction」を
考えてみました。
今回からは「会話」の中でのTryとReactionを
考えてみましょう。


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ワーク1(TryとReaction)

○道(夕方)

   川沿いの道を歩いている野崎一馬(17)。
   一馬、高校のカバンを持ち、制服を着ている。
   後ろから制服姿の山口美咲(17)が
   走って一馬に追いつく。

(課題)
この先のシナリオを
TryとReactionを使った会話のシーンを入れて
描いていきましょう。


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この問題に対して数回
私の方でチャレンジしてみます。

みなさんも、時間がある方は
やってみて下さい。

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会話編 解答例1 青春編

青春をテーマにしました。
「若い男女がぶつかりながらも先に進んでいく物語」
そんな方向に物語を向かわせるためのTryとReactionに
チャレンジしてみます。


○道(夕方)

   川沿いの道を歩いている野崎一馬(17)。
   一馬、高校のカバンを持ち、制服を着ている。
   後ろから制服姿の山口美咲(17)が
   走って一馬に追いつく。
美咲「一馬っ」
   振り返る一馬。
一馬「おう。美咲か」
   腰に手をあて胸を張る美咲。
美咲「おうっ」
     (前の行から、美咲の空元気な態度とセリフがTry)
   一馬、美咲の脚を見る。
   包帯が巻かれている。
     (脚に巻かれた包帯も、一馬に対してのTry)
一馬、美咲から目をそらして。
一馬「……おう」
     (前の行のセリフも含めReaction)
一馬「陸上。せっかくインターハイまでいけたのに
   悪かったな……足の怪我」
     (Try)
   美咲、空を見上げる。
美咲「風」
     (Reactionであり、Try=謎めいた言葉)
一馬「え?」
     (Reactionであり、Try)
美咲「耳に吹き抜ける風。気持ちよかった」
     (Reactionであり、Try=謎めいた言葉)
一馬「……」
     (Reaction)
美咲「バイクで海を走り抜けたの、初めてだったよ」
     (Reaction)
一馬「美咲……」
     (Reaction)
美咲「軽い事故にあっちゃったけど、気にしないで。
   私が無理やり、連れてって欲しいって頼んだんだから」
     (Reaction)
一馬「でも……」
     (Reactionであり、Try)
美咲「インターハイなんかよりもね
   私はバイクで一馬の後ろにいるほうが、好きなんだ」
     (Reaction)
一馬「美咲……」
     (Reaction)
美咲「だから、もう気にしないで。
   脚が治ったら、また、後ろに乗せて!」
     (Reactionであり、Try)
   一馬、空を見上げる。
     (Reaction)
   何かを決意したように、美咲に向き直り。
一馬「わかった!俺、決めたよ!
   美咲のために、一番の男になって
   一番の男の背中にお前を乗せて
   海岸までぶっ飛ばしてやる!」
   一馬、拳を握り締め、振り上げる。
     (Try)
   美咲、目を輝かせて一馬を見る。
     (Reaction)
一馬「絶対一番の男になってやる!
   俺は絶対、族の、魔津覇帝王(まっはていおう)の
   総長、権藤をぶっ飛ばしてやる!
   俺が魔津覇帝王の総長になって
   お前を後ろに乗せて走ってやるからな!
   待ってろよ!」
      (Try)
美咲「うん!私、いつまでも待ってるわ!」
      (Reaction)
   一馬、美咲をお姫様だっこして、歩き出す。

       (完)


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いやぁ。我ながらなんて完成度の高い
素晴しい作品なんでしょう。
ちゃんと話が大きく飛躍して
意外性もついています!

素晴しい!
特にラストの一行なんてグレイト(偉大)ですね。

みなさんの作品はいかがでしたでしょうか。

やってみて分ったことを
まとめてみます。

・後半からほぼ「TryとReaction」が同時に起こっている。
・「Try」の方が数が少ない。
・「Try」を一滴たらすと、話題が飛躍しやすい。
・「Reaction」で人物性、感情、を表現できる。



それではまた、次回にお会いしましょう!

アディオスっ!



posted by lilac at 18:00| シナリオ創作演習T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月27日

第一回 セリフの研究2、 TryとReactionワーク(一言Reactionまとめ)



ここ数日、「一言Try」に対する
「一言Reaction」を考えてきました。


もうお分りかと思いますが
Reactionによって、

(1)その人物がどういう人物か?
(2)この話はどんな方向に流れているのか?


これらの印象が異なってきます。

もちろん、TryもReactionも一言のため
確実な情報ではなく、あくまでも「印象」です。

しかし、こういう小さな印象は
ドラマを観ている視聴者に
無意識のうちに人物や物語についての印象付けをなしています。

次回から観ていく、会話でのTryとReactionは
前回まで見てきた一言のTryとReactionが数多く積み重なったものです。

次回から観ていくそれは、ドラマの会話のセリフと同じものです。

ドラマにおける会話も、細かく見ていけば
小さなTryとReactionの積み重ねになっています。

これは非常に些細で簡単なこと
一見どうでも良さそうな、誰でもが知っていそうなことです。
そのため、軽視されやすいかもしれません。

しかし、質のよいドラマ、セリフを考える上で
重要な考え方です。

このTryとReactionを意識し
映像作品を観たり、シナリオを書いたりすることは
シナリオ技術の向上にもつながるのではないでしょうか。


おそらく、こうした技術は、一つ一つを覚えていく過程は
非常に地味なものだと思います。
一つ覚えたからといって、
すぐに劇的にシナリオを上手く書けるわけではありません。

しかし、こうした細かい技術の一つ一つを身につけてゆき
それらを意識してシナリオを書いていくことで
いつの間にか、シナリオを書く技術は上達してくると思います。

では、次回からは
より長い、会話でのTryとReactionを
みていきましょう。







posted by lilac at 18:00| シナリオ創作演習T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月26日

第一回 セリフの研究2、 TryとReactionワーク 解答例12

今日もReactionを考えましょう。


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ワーク1(解答例6−1)


○道(夕方)

   川沿いの道を歩いている野崎一馬(17)。
   一馬、高校のカバンを持ち、制服を着ている。
   後ろから制服姿の山口美咲(17)が
   走って一馬に追いつく。

美咲「和美から全部聞いたよ……」(Try)


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(解答例6−6)

一馬「え?何を?何を聞いたの??」(Reaction)


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全く何が起きたのか分らないようですね。

それか、しらばっくれているだけか……


posted by lilac at 00:00| シナリオ創作演習T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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