2010年05月14日

第一回 セリフの研究3、セリフと人物性実践ワーク68



(第五話 対決)


過去を振り払おうと、涼は華恋と戦う。

ただし、暴力で、ではない。
精神力で、だ。

華恋に自首を勧めたのだ。

「私が憎くないの?」
「女の私相手なら腕力で勝てるんじゃないの?」

華恋にそう言われても
涼は決して暴力に訴えなかった。

それは、意地だった。
家族を殺されたものとして
法を学ぶ者として
自らは決して人を殺めないし、暴力に手を汚さない。

しかし、そんな意地を
あっさりと華恋は打ち砕いた。

華恋はバッグの中から取り出したナイフで
あっさり涼の喉を斬った。

あまりにあっけない涼の死。


そんな涼に対して華恋がつぶやいたことは

「椅子に縛るの忘れちゃった。ま、いいか」

だった。


華恋は部屋を出て行った。
だが、彼女は気付いていなかった。

ソファの下で、携帯電話が通話状態のままになっていたことを。

そして、その携帯の向こうで
転介が震えていることを……。



posted by lilac at 18:00| シナリオ創作演習T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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