2010年05月20日

第一回 セリフの研究3、セリフと人物性実践ワーク74


(第七話 エーデルワイス(6))

華恋は楽みながら
怯える転介を追い詰める。

「確か最初に会ったとき、
 『君になら殺されてもいい』って
 言ってくれたね」

「あの時から君だけは絶対に殺したいって
 思ってた。
 生まれて初めてだったんだよ。
 心が通じたと思ったの」

「殺したいばかりの私に、
 初めて訪れた殺されたい人。
 運命の出会いだと思った。
 だから、君だけは絶対に殺してあげたかった。
 大好きだったから……」


メチャクチャな話である。

絶望の中、自らが軽はずみで吐いたセリフに
後悔しながら、転介は刺されていく。
しかし、とどめをさされる前に
華恋は逃げ出した。

絶対に殺したかった相手のとどめをしっかりと刺せずに
逃げ出した。

誰かが走ってやってきたからだ。
いや、クライマックスを最も適切な場で行うための
戦略的な退避だった。


posted by lilac at 18:00| シナリオ創作演習T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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